雨降りの十月
 
 心地よい寒さが肌に触れる

 誰も居ない家へ帰り

 自らの手首の管に見とれる日々

 置き去りにされた傘…捨てられず

 あなたの時計…抱きしめ眠る



 あの日、炎に消えたあなたへ

 花束と手紙

 

 永遠のときは闇に消え

 私は一人…

 私は一人…

 あなたの最後の顔

 微笑み、出て行った

 その顔が浮かんでは消え----



 何故?

 もう休んでいいよ。

 ずっと一緒にいたかった。

 心の矛盾



 誰も居ない家の鍵は重く

 地面に張り付く足


 降り続けた雨は

 いつしか止んで

 私の心に現実を突きつける

 雨は止んでも

 私から流れる紅はとまらずに…--

          とまらずに……----