灰白春を止めておきたくて 蝶をピンで刺した 時を止めておきたくて 花を押し花にかえた それでも時は過ぎてゆき..... 動かない蝶が 水の枯れた花が 部屋の中で僕を笑う 夏を止めておきたくて 貝殻を並べ 冬を止めておきたくて 冷蔵庫には雪のウサギ 貝から聞こえるのは 海の音なんかじゃなく ただ無機質な風の音で 雪のウサギは霜に覆われる カチカチという時計の音が 部屋の中へ響き渡る それはまるで 止められないときの象徴で 時計を壊す。 時計を止めても時は止まらない 空が時を告げてくる 窓を潰す。 そして気付く... 己の心臓も時を刻むものなのだと。 僕の時間だけが 止まった。